吉川英治の宮本武蔵を漫画にした作品で、主役は当然のように宮本武蔵。

幼いころから強くなることだけにこだわり周囲に恐れられています。

そんな中で、剣を究め、戦いを究め、そして生きることを究めていくお話です。

 

剣を極める

37卷で百姓のおんなたちに剣術稽古を頼まれるシーンがあります。

嫌がっていた宮本武蔵もようやくみんなの前で剣を振ります。そのときのセリフです。

 

「腕は真面目でがんばり屋、欠点は一人でがんばりすぎること。

脚や腹や腰やヘソ、他の連中をすぐ忘れる。だから時々、腕はないと思って振る」

 

剣の話なのに剣以外にも通じる内容です。

例えば、会社のチーム。チームのメンバーの力を出し切るコツのようにも聞こえてきます。

この話を聞いていると、自分の仕事の仕方に置き換えても、

何か視野が狭くなって、肩が縮こまっていたようにも思えてきます。

宮本武蔵はこのように剣の道を究めながら、

生きていくうえでの本質のようなものを見抜いて、身につけていくのです。

 

生きることを究める

これも37卷のお話で、沢庵和尚が宮本武蔵の幼い頃を回想するシーンです。

すべて沢庵和尚の話です。

 

「戦うために生まれた。自分のことをそう言っとった。殺せ。命に価値はないとも。」

「その通り、価値はない。自分だけのものと考えているなら、命に価値はない」

「何故生まれた?自らがここにいる理由は、誰かが命をつないでくれたから」

 

天下無双を目指し、戦い、強くなればなるほど宮本武蔵は葛藤します。

そして悩むことで何かに気づき、それが行動に繋がり、そしてまた強くなるのです。

 

ここで云う命の価値は、仕事の意義にも通じるところがあります。

何のために働いているのか。

自分のためだけのために働いているのならば、

その仕事に価値はないのかもしれません。

 

家族のため、他人のため、地域のため、国のため。

そんな志をもつことの重要性をこの話から感じました。

 

まったく真逆の価値観を究める

宮本武蔵はふとしたことから寂れた農村の田植えの手伝いをします。

田んぼを作るところからすべて苦戦と失敗の連続。

37卷で百姓が話すシーンがあります。

 

「稲ってやつはな、か弱い。人の手なしには生きられん。百姓はこのか弱い奴が、

何を欲し、何を嫌うかを聞いて見つけてやるのが仕事。

明けても暮れても頭ん中は、このか弱い命を生かすこと。命をまっとうさせること。人を斬る?冗談だろう」

 

剣で人を斬ることから、土を耕し稲を育てる。

真逆の行為からも宮本武蔵は苦心の末に多くのことを学んでいきます。

今まで見ようともしなかったこと、無価値だと思っていたことに目を向けることは、

さらに仕事や人生を深めることに繋がることを学びました。

 

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